小学4年生にとっての読書感想文、はっきり言って「ウザい」のがお子さんたちの正直なところかもしれませんよね・・・。
人間関係の複雑さに気づき始め、勉強も難しくなったてきたりで、あれ?自分中心の王国なんてなかったんだと悲しい自覚が芽生えてきたりもしちゃうのが、小学4年生という年代だと思います。
そんな時だからこそ、一生の思い出に残るような本に出会ってもらえたらなあ、と思っています。読書を通して知れるのは知識だけではなく、そこには、思い通りに行かなかったりほろ苦かったりするけれど、実は生きていくってちょっとすごいことなんだよね、という秘密がたくさんつまっていたりするのです。まずは気楽な気持ちで見てみてくださいね。
Contents
オススメ本1子どもが大人に戦いを挑む!痛快、爽快!でも、それだけじゃない
チョコレート戦争 作:大石 真 絵:北田卓史
かんたんなあらすじ
町の高級洋菓子店、金泉堂は子どもたちの憧れの的でした。エクレア、シュークリーム、毎日でも食べたいけれど、その値段はとっても高い・・・。
ある日、光一は、風邪を引いた妹に食べさせたいと思い、クラスメイトの明と一緒にシュークリーム1個だけを買いに金泉堂に入ります。
お金が足らずシュークリームは買えなかったののですが、店を出てショーウィンドウのチョコレートのお城を眺めていたところ、いきなりショーウィンドウが割れ、二人は店員や金泉堂の社長ら大人たちに、犯人だと決めつけられてしまいます。とても悔しい光一は、やがてある計画を思いついて・・・。
![]() |
新品価格 |
ここが心にぐっとくる
なによりも、子どもがじぶんたちの無実の罪を晴らすため、大人に戦いを挑むというシチュエーションが痛快でたまりません。光一や明など登場人物の子どもたちと一緒に戦っている気分になって、ページをめくる手が止まらないほどです。そして、思わず口の中につばが湧くほど食べたかったのが、金泉堂のエクレア!値段が高くてそうそう買えないという設定もとってもリアルで、しばらく金泉堂のエクレアが頭から離れなかったです(笑)
物語はハッピーエンドで終わるのですが、単純な善悪で終わらないのがこの話のニクイところ。しっかりと大人側の事情も描かれています。どちらが悪いということではなく、大人も子どもも、それぞれの立場で一生懸命ベストを尽くしているのです。
オススメ本2人生は、未知の冒険に満ちている。
ドリトル先生航海記 作・絵:ヒュー・ロフティング 翻訳:井伏鱒二
かんたんなあらすじ
船に乗って世界を航海することを夢見ている靴屋のむすこ、トミー・スタビンズ少年は、ひょんなことから動物の言葉を理解する医学博士、ドリトル先生と出会います。
尊敬するドリトル先生の助手となったトミー少年は、大博物学者ロング・アローを探しにドリトル先生、愉快な動物たちと航海の旅に出かけます。
行く先は漂流する島、クモサル島。島の王様に選ばれたりとドリトル先生は大活躍。
そして、不思議な冒険の最後は、なんとカタツムリの殻にもぐっての海中旅行。
みんな一緒になつかしい我が家に無事帰りついたのでした。
![]() |
新品価格 |
ここが心にぐっとくる
こちらは、全12冊、番外編2冊のドリトル先生シリーズの2冊目です。
第1冊目の「ドリトル先生アフリカゆき」ではなく、あえて2冊目を選んだのは、この作品からシリーズ全体の語り手であるトミー少年が登場するからなんです。
トミー少年と一緒に冒険の旅をすることで、人生は可能性に満ちているんだということを学んだような気がします。
ドリトル先生の助手になれて、念願の航海に行けることが決まったときのトミー少年のワクワク感は、いつまでも色あせず、わたしの心に残っている子ども時代の宝物です。
オススメ本3 想像力という無敵の世界を手に入れる!
誰も知らない小さな国ーコロボックル物語1 作:佐藤さとる 絵:村上 勉
かんたんなあらすじ
小学3年生の夏休み、主人公のぼくのお気に入りの場所は、「こぼしさま」と呼ばれる小人の言い伝えが伝わる小山にある小さな三角形の平地でした。
ひみつの宝物としてぼくは何度も通います。
そして、次の年の夏休み、小山に遊びに来たという小さな女の子が落としてしまった赤い運動靴を探すことになり、やっと見つけたその靴を拾おうとしたら、なんと、小指ほどしかない人たちが、ぼくに手をふっていたのです・・・。
![]() |
新イラスト版 コロボックル物語1 だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ) 新品価格 |
ここが心にぐっとくる
日本が舞台の本格ファンタジーの傑作です。
読み終わったら、きっとコロボックルを探して、通学路にある植木の陰とか、小さな空き地に生えている雑草の葉っぱの裏とかを探してしまうと思います・・・。
それくらい、ページをめくるたびに、作者が編む豊かな想像世界にすんなりと入っていけるのです。
あくまで土台はわたしたちの現実の生活であり、そこからほんの少し目線をずらしたところに広がっているのは、自分だけの自由で無敵な場所、そう、想像力の世界なのです。想像力は、毎日をとても味わい深いものにするってことを、しみじみ感じる作品です。
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
小学4年生のお子さんに自由に本の世界で遊んでもらえたらなあ、と思って選んでみた3つの本ですが、いかがだったでしょうか?。
面白いかも?読んでみたいかも?と心に引っかかる作品がありましたら幸いです。
読書感想文は宿題ではあるけれど、ほんのちょっと自由な心になって向き合ってみると、大人になって振り返った時、ああ、あの夏は人生の相棒のあの本を初めて読んだ夏だったっけ?と思えることもあるかも。
それって、ちょっと悪くないかもしれませんよね。がんばってください。
応援しています。